→ 第80条 下級裁判所の裁判官、任期、定年、報酬

第6章 司法

第79条 【最高裁判所の裁判官、国民審査、定年、報酬】

 第1項 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、 その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。

 第2項 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、 その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。

 第3項 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。

 第4項 審査に関する事項は、法律でこれを定める。

 第5項 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。

 第6項 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。  この報酬は、在任中、これを減額することができない。


解説

 最高裁判所の構成と、裁判官の国民審査、定年、報酬について定めています。
 最高裁判所は、内閣の指名に基づいて天皇によって任命された最高裁判所長官 及び内閣によって任命され天皇の認証を受けた14人の最高裁判所判事によって構成されています。  15人全員で構成する大法廷と、5人ずつで構成する三つの小法廷があり、 憲法問題や判例変更を伴うような重要な事件の場合は大法廷によって裁判が行われます。  なお、最高裁判所裁判官の定年は70歳と定められています ( 裁判所法50条 ) 。
 2項では、国民審査を規定し、内閣が裁判官の人事権を濫用することを防止し、 司法権に対しても国民の民主的なコントロールを及ぼしています。  国民審査の手続きについては、 「 最高裁判所裁判官国民審査法 」 によって規定されています。
 6項では、報酬面からも裁判官の身分保障を図っています。  詳細は、 「 裁判官の報酬等に関する法律 」 に規定されています。

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