第8章 地方自治
第92条【地方自治の基本原則】
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。
解説
地方自治が、住民の意思に基づいて、国から独立した団体により団体自らの意思と責任において行われなければならない
ということを定めています。
地方自治には、民主主義の基盤を育み、また中央権力の巨大化を抑制して権力分散を図るといった重要な役割があります。
地方自治法1条の3によると、 「 地方公共団体 」 には、大きく 「 普通地方公共団体 ( 都道府県、市町村 ) 」 と
「特別地方公共団体 ( 特別区、地方公共団体の組合、財産区、地方開発事業団 ) 」 の二つがあると規定されています。
しかし、憲法では 「 地方公共団体 」 の内容についてはなにも規定していないため、憲法でいう 「 地方公共団体 」 が
地方自治法1条の3に規定されたすべての地方公共団体を指すのか、その一部のみを指すのかといった問題があります。
主に 「 特別区 ( =東京23区 ) 」 が憲法上の地方公共団体にあたるか否かで争われますが、判例(*1)は、
「 憲法93条2項の地方公共団体とは、
単に法律で地方公共団体として取り扱われているということだけでは足りず、事実上住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み、
共同体意識をもっているという社会的基盤が存在し、沿革的にみても、また現実の行政の上においても、相当程度の自主立法権、
自主行政権、自主財政権等地方自治の基本的権能を附与された地域団体であることを必要とする 」 とし、この基準に照らすと
東京都特別区 ( 23区 ) は93条2項の地方公共団体にはあたらず、
特別区の区長を公選制によるものとしなくとも違憲ではないとしています。
ただし、立法政策上、現在は公選制が採用されています ( 地方自治法283条1項 ) 。
*1最大判昭38.3.27
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