→ 第12条 自由、権利の保持の責任とその濫用の禁止

第3章 国民の権利及び義務

第11条 【基本的人権の享有】

 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。 この憲法が国民に保障する基本的人権は、 侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。


解説

 本条は、憲法の保障する基本的人権が、人が人であることのゆえをもって、 当然に共有しうる普遍的なものであるという、 「 自然権思想 」 を基礎にしていることを明らかにしています。  人は生まれながらにして自由かつ平等の権利を持っているのです。
 「 国民 」 という文言を用いているため、外国人や法人、また天皇などにも人権が及ぶか否かで争いがあります。
 外国人については憲法10条の解説でも述べたとおり、 「 権利の性質上適用可能な人権規定はすべて及ぶ 」 とされています。
 法人についても、その社会的実態として重要な活動をになっていることなどから、 「 性質上可能な限り人権規定は適用される 」 と解されています。  しかし、自然人 ( =人間 ) であるがゆえに認められる人権 ( 選挙権、生存権など ) は、法人には保障されず、自然人の場合と 保障の程度が異なる人権もあるとされています。 例えば、経済的な自由権や政治活動の自由などに対しては、 自然人よりも広く規制を受けることがあります。
 天皇についてですが、私人としての天皇に人権が及ぶことは当然ですが、その地位の特殊性から人権が制限されることもあります。 例えば、職業選択の自由や、居住の自由などの人権は制限されることとなります。

→ 第12条 自由、権利の保持の責任とその濫用の禁止

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