→ 第5条 摂政

第1章 天皇

第4条 【天皇の権能の限界、天皇の国事行為の委任】

 第1項 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

 第2項 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。


解説

 1項は、国家機関としての天皇の権限が、憲法で定める国事行為に限定され、政治上の権能は一切もたないことを定めています。  国事行為は憲法によって限定されていますから、これら以外の国事行為を行いうるようにするには、憲法を改正しなければなりません。  なお、天皇の国事行為を定める憲法6条7条には、天皇が被災地を慰問したり、 公式行事に参加したりする行為が規定されていませんが、これらの行為の法的根拠は、 憲法1条にあり、 「 日本国の象徴 」 に基づく活動であると解されています。
 2項は、天皇が病気になったり、入院するような事態が起きた場合 ( ただし、摂政を置かなければならない場合 ( 憲法5条 ) を除きます ) に、 天皇の国事行為を委任できることを規定しています。 さて、誰が天皇の行為を代行するかですが、 それは 「 国事行為の臨時代行に関する法律 」 で定められており、皇太子または皇太孫、親王及び王、皇后などの順で、 成人に達した者の中から皇位継承の順序に従ってその任につくこととされています。  なお、この 「 国事行為を委任すること 」 も国事行為であり、内閣の助言と承認を必要とします。

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