離婚の際の不動産の財産分与の仕方について分かりやすく解説。名義変更(登記手続)の必要書類や注意点、ローンとの関係や各税金まで。
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知っておきたい基礎知識!

 不動産財産分与の知識
1.不動産財産分与の注意点
2.不動産を特定する
3.不動産の価値を評価する
4.住宅ローンと抵当権
5.売却して代金を分割したい
6.一方の単独名義にしたい
7.ローンが残っている場合>
8.子供の名義にしたい
9.名義変更手続(登記手続)
10.財産分与でかかる税金



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 子供の名義にしたい

子供の生活と資産を守るために考えるべきこと。

 不動産の財産分与にあたって、子供の名義にしたいという話がでることがありますが、 子供に財産分与することはできません。 財産分与はあくまでも夫婦間での財産の精算です。 財産分与とは別に、子供に贈与することは当然可能ですが、この場合は贈与税が発生する可能性があります。

 自分の住む不動産を、子供の名義にした場合は、後に思わぬ問題が生じることもあります。 例えば、子供Aが成人して、結婚したとします。そして、不幸にもある日Aが交通事故などで 急死したとします。この場合、Aの妻に相続権があるため、親は、Aの妻と自分の住む不動産をめぐって 遺産分割協議をしなければならなくなることもあります。Aに子供がいれば、 親には相続権すらありません。嫁の名義の不動産に、親が住まわせてもらうことになりかねず、 精神衛生上もあまりよろしくないでしょう。 また、Aが急死しないとしても、Aが破産するようなことがあると、 親の住む不動産も当然処分しなければならなくなります。 子供の名義にしてしまうと、 何かと親は不安定な地位に置かれてしまうこともあるのです。

遺言や信託で、最終的に子供の名義にする方法
 子供の名義にしてしまうと、何かと問題もあるとはいえ、離婚した場合、 子供としても不安定な地位におかれてしまうことは否めません。 特に、離婚によって子供が将来相続などで困ることもあります。 例えば、甲乙夫婦に、子供Aがいたとします。甲と乙が離婚し、財産分与によって 妻である乙が不動産を単独で所有することになりました。 その後、乙は丙と再婚するとしましょう。そして月日は流れ、乙は亡くなりました。 乙と丙には子供はいません。この場合、乙の不動産を相続するのは、前夫の子供Aと、丙になります。 ここで、さらに、丙が亡くなった場合、子供Aは、丙の持分を相続できるでしょうか? 答えは「相続できない」です。丙の持分は、丙の相続人に相続されますが、丙の相続人は、 丙の子供や丙の兄弟です。前夫の子供Aには、一切相続権はないのです。 困るのはAでしょう。親の離婚によって、子供が相続争いに巻き込まれてしまうことがあるのです。 このような事態を避けるには、丙がAを養子縁組しておくことが考えられます。 しかし、養子縁組は、丙にとっても、Aにとっても、なかなか精神的なハードルが高く、 「なにもそこまでしなくても」と考えてしまいます。また、養子縁組すると、お互いの相続関係が生じ、 将来思わぬところで相続争いにまきこまれることも考えられるところです。 そこで、他に考えられる方法として、遺言や信託を利用する方法があります。

遺言による方法
 上記の例の場合、乙は、「不動産をAに相続させる」とする遺言書を書けば、丙には相続されず、 Aの平穏な生活が保障されたかもしれません。そうはいっても、丙が不動産に住んでいるので、 丙の生活も保障したいという場合もあるでしょう。
 そこで、乙は、「不動産を丙に相続させる。そして、丙が死んだ後は、丙からAに相続させる」 と遺言を残したとします。この遺言は有効でしょうか?残念ながら、 「丙からAに相続させる」とする部分は効力が認められません。 丙自身が、「Aに遺贈する」とする遺言書を残さない限り、Aが相続することはないのです。 丙がそのような遺言書を残してくれればよいのですが、丙にその気がなかったり、 既に認知症などで遺言書を書くことができない場合もあるでしょう。 つまり、遺言書だけでは、丙とAの双方を財産的に保障することは必ずしもできないのです。 そこで、信託という方法もあります。

信託による方法
 上記の例で、遺言書では、乙は、「丙が死んだら、丙からAに相続させる」とすることはできませんでした。 信託の場合は、これをかなえることも可能です。それは、家族信託と言われる方法です。 信託とは、財産を預ける人(委託者)がいて、信頼できる人(受託者)に財産を預け、 受託者が、その財産から利益を受ける人(受益者)のために、その財産を管理、運用、処分する方法です。 平成18年の信託法の改正によって一般に広まってきました。 上記の例で、どのような家族信託を設定するのかというと、まず、乙が、自分の不動産を信託します。 財産を預かる受託者は、信頼できる親族や第三者(自分の兄弟や、甥や姪など)にします。 乙が存命の間は、乙を受益者として、乙が死亡したら丙が受益権を取得し、丙が死亡したら、 Aに不動産を帰属させるという契約内容にします。この家族信託の方法であれば、 乙も丙もAも、財産上の利益を享受することができるのです。

 贈与も、遺言も、家族信託も、法律上また税務上の問題をクリアする必要がありますので、 子供や第三者の名義にしたい場合は、司法書士などの専門家に必ず相談しましょう。






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