相続の基礎知識 < 12.遺言と相続の関係
■ 遺言で相続関係を変更できる一方、遺留分の制限もあります。
遺言と相続の関係
誰が誰の相続人となり、またその相続分はどれほどなのか? といったようなことは、民法によって
細かく定められており(この原則的な法定された相続分のことを「法定相続分」といいます。)、
法によって画一的に定められた相続(「法定相続」といいます。)は、
被相続人(相続される者)の死亡によって当然に開始されます。
しかし、この法定相続は、法によって画一的に定められているため、
すべての家庭の事情に則した妥当な結果を導けるとは、必ずしも限りません。 一方、遺言は、
こうした法定相続を遺言者の意思によって変更するものであり、遺言者が残した相続財産の処分を、
遺言者自身の最終の意思表示に委ねるものです。
このように、遺言によってその家庭の実情にあった
相続財産の分配が行われることが期待されるところに、遺言制度の存在する意義があるといえます。
むしろ、相続は遺言によってされることが望ましく、法定相続は補充的なものにすぎないともいえるでしょう。
ところで、法的に効力のある遺言をするとなると、その方式及び内容は
法に適合したものである必要があります。遺言は、遺言者の生前の意思をその死後において
実現させるものであり、それもとりわけ財産に関するものが中心となるため、
遺言の存在や内容の真実性が保証されなければ争いが生じてしまいます。
このような争いを防ぐため、民法は遺言の要件を厳格に定めているのです。
遺言と相続には密接な関係があります。有意義な遺言をするには、相続の基礎知識を
知る必要があります。 法定相続の具体事例 1を用いて考えてみましょう。
図
新たな制度との関係
これまで遺言が代表的であった相続対策ですが、最近では、民事信託や保険商品を駆使した相続対策や、 成年後見制度を利用した生前対策など、様々な方法で、まさにオーダーメイドの対策が可能となっています。 一度は自身の相続について、専門家に相談をしてみることをおすすめいたします。
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