寄与分とは?
■ 裁判では、寄与分はなかなか認められません。
寄与分とは、共同相続人の中に、
被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者がある場合に、
他の相続人との間の実質的な公平を図るため、その寄与をした相続人に対して、
相続分以上の財産を取得させる制度です。
どれだけ寄与したのかは、相続人間の話し合い、
もしくは家庭裁判所の調停又は審判によって決められます。
寄与とは、例えば、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付や、
被相続人の療養看護などに努めた場合です。
ただし、通常求められる親族間の助け合い程度では、寄与とはみなされません。
実際、家庭裁判所の審判でも、特別の寄与として認められるケースは少ないと言えます。
寄与分が認められた場合は、被相続人の遺産から、
寄与分の額を控除したものを相続財産とみなして、
各相続人の相続分を算出します。そして、寄与をした者には、
その相続分にさらに寄与分を加えた額が実際の相続分となります。
寄与分の制度も、相続人間の公平をはかるための制度なのですが、
やはりその寄与の事実や度合いをめぐって相続人間の争いの種になることがあります。
被相続人と同居して面倒を見たといっても、その人は親の不動産に住んでいることも多く、
その分利益を受けているとも言えます。介護をしたといっても、通常の扶養義務の範囲であると考えられることも多いです。
寄与分に関しても、裁判になると長期化することがしばしばです。
相続人間の柔軟な話し合いが望まれるところです。
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